卓球の本質とは

どうもM2です。

私が生徒さんに、よくする質問があります。卓球で「強い人・勝てる人」ってどんなイメージですか?

特に、ジュニアの男の子にこの質問を投げかけるのですが、ほとんど答えることができず、「点数を多くとれる人!!」くらいの回答です。すかさず「正解!!では、点数を多くとれる人ってどんな人?」とツッコミを入れると「、、、、、、、、、」これ難しい質問ですよね。

皆さんは、どんな回答をするでしょうか?

私はこう答えます「一本でも多く、相手のコートにボールを入れられる人」

卓球というスポーツの本質

多くの方が、強い人=相手を打ち負かす人=球のスピードが速い・相手が取れないサーブ・ボールを打てる。のようなイメージの回答になるのではないかと思います。

指導者には色々な考え方があり、卓球の競技としての本質といえるこの質問にも様々な回答があると思います。例えば、陸上競技や水泳など記録やレースの場合だと、単純に「人よりも速い人」と単純明快な回答ができますが、サッカーやバスケでも「相手よりも1点でも多く点数いれたチーム」となり、ではそれができるチームって?と聞かれれば「、、、、、、、、、」。同じく回答が難しく、様々な考えがでてくると思います。

「一本でも多く、相手のコートにボールを入れられる」この回答は、卓球の指導者となり多くの初心者の方々をみることで得た、私の卓球の本質です。よくよく考えてみれば当たり前で、ツッコミの入れようがないと思います。イメージとして「強い・勝てる」がなく、相手のボールをただ当てて返したている人という印象があるので出にくいだけです。

私が現役時代なら、このような回答は出せなかっただろうと思います。それは、ボールを相手のコートに単純に入れることなど「前提」であり、そこから相手よりも何ができるか?という土台があるからです。

しかし、この前提が「運動経験が少ない。6アビリティーが全体的に低い方」には無いのです。飛んできたボールがラケットに当たらない、卓球台でボールつきが3回以上できない。この状態では、コーチとのラリーで、ゆっくりな前進回転(変化のない普通のボール)を同じ場所に送っても、2・3回のラリーしか続きません。自分が「強い人」になれるのは、ものすごく先のことだと感じるでしょうし、高齢者の方であれば「そんなの必要ない」と言われます。

本質から捉えた卓球の奥深さ

逆に、選手であったとしてもスマッシュが速い・多彩なサーブを持っている。などなど強いための要素がたくさんあったとしても、「世界チャンピオン」と対戦したら、ロビングのみで負けます。どんなにすごい球を送っても、それが何度もかえって来て、自分がミスをすれば勝てない。

だから、レベルを問わず全ての方に当てはまる「卓球の本質」だと言えるのです。その本質を土台に、「相手も返球が一本でも少なくなるように」速いボールや、複雑な回転、コース取り、など数えきれないほどの技や考え方ががでてくるのです。ボールを打ち合う相手がいて、回転まで駆使してラリーを続ける卓球が「奥の深いスポーツ」と言われるのは、ここに理由があるのだと私は捉えています。

初心者への指導法の変化と効果

この本質に気づくことができた結果、前述の6アビリティーが低い方でも、より早い段階でラリーが続けられるようになりました。具体的には、卓球指導書にありがちな、フォアハンドの基本フォームは「これだ!!」からではなく、相手のコートに入れるだけの打球する感覚は「これだ!!」から始めるのです。ようするに、ラケットでボールを打つと、どこに、どんな方向に、どんな感じで飛んでいくんだということを、頭と体で理解し動作するカンを鍛えるわけです。基本フォーム力を身に着けるのは、その後で十分です。

ジュニアの特に男の子に質問をよくすると書きました。その理由は、「ともかく強く打とう」とする子が多いからです。学校や学童などお友達と卓球をすると、男の子は勝負をしたがります。全ての球技に当てはまると思いますが、素人が見えている「強さ」だけでなく、その裏では沢山のテクニックがあり、それが点数をとる秘訣だったりします。卓球も同じく、強く打たれるなら打たれないように当然します。そこには気が付くことができない。なので、「ラリーを長く続けよう!!」と言っても、数回続けばバシバシ打ってきて入らない。フォームもめちゃくちゃ(笑い)。そこで、「卓球で強い人・勝てる人ってどんな人だと思う?」の質問を投げかけ、考えさせるのです。

すぐに理解して変化が起きることは稀ですが、継続して伝えていきます。例えばゲームをして、私が一度もスマッシュをせずに、ただ返しただけで0点で勝つようにします。終わった後に「なんでコーチが勝てたの?」「ミスしないで返すことができたから」「でしょう。強く打ったから強いだけじゃない。何度も相手に入れることも必要だよ」と理解を促していくのです。こうすることで、徐々に子供たちは続けてラリーすることの意味を体で覚えていくのです。

あ、大人は何度言っても頭では理解したとしても行動が伴わない人は一杯いますよ。でも、いいんです。ストレス発散ですから~~~!!

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